〜プラセンティア宮殿〜
16世紀初め〜中頃のイングランド王国は、前世紀の内乱「薔薇戦争」において勝利し王位を継承した、「赤薔薇」ランカスター派のテューダー家が着々と自らの足元を固めた時期です。
ときの国王はヘンリー8世。彼はカルロスに先立つこと9年前の1491年、ロンドン郊外グリニッジのプラセンティア宮殿で生まれました。そこはテューダー家の本拠地として広大な敷地に建てられた、大きな宮殿だったと伝えられますが、しかし…残念ながらその建物は現存していません。
往時を偲ぶ面影は緑広がるグリニッジパークの広大な敷地のみ。その後荒廃した宮殿跡に建てられたのは王立海軍学校。また、その近くには17世紀にステュアート王朝のアン女王により建てられた「クイーンズハウス」が辛うじて美術館として残っていました。
本日はカルロス皇帝の記念すべき誕生の日です。
今より508年前に…気の遠くなるような時間。
遠く極東の果てでひっそりと見知らぬ時代を思う一時。
来月渡英するので、ついに生誕の地ベルギーへ訪問できるかも?
と、にわかに期待したのですが、日程と場所の都合でかなわず…
陛下が洗礼を受けたガンの聖バーフ大聖堂に足を運びたかった。
幼少時代を過ごしたメヘレンのマルグリットの宮殿を訪れたかった。
そして、ブリュッセルのグラン・プラス広場でワッフルを食べたかった…。
日本で手に入る限りで陛下の足跡、関係者たちの歴史を調べてきましたが、
やはり陛下はヨーロッパの帝王。
現地に足を運び、ゆかりの地を訪れなければならないでしょう。
おそらく、まだ私はそれらを訪れる資格がないという、神の思し召しなのでしょう…