〜プラセンティア宮殿〜
16世紀初め〜中頃のイングランド王国は、前世紀の内乱「薔薇戦争」において勝利し王位を継承した、「赤薔薇」ランカスター派のテューダー家が着々と自らの足元を固めた時期です。
ときの国王はヘンリー8世。彼はカルロスに先立つこと9年前の1491年、ロンドン郊外グリニッジのプラセンティア宮殿で生まれました。そこはテューダー家の本拠地として広大な敷地に建てられた、大きな宮殿だったと伝えられますが、しかし…残念ながらその建物は現存していません。
往時を偲ぶ面影は緑広がるグリニッジパークの広大な敷地のみ。その後荒廃した宮殿跡に建てられたのは王立海軍学校。また、その近くには17世紀にステュアート王朝のアン女王により建てられた「クイーンズハウス」が辛うじて美術館として残っていました。
写真はグリニッジパークの小高い丘の上に建つ「世界の標準時」グリニッジ天文台から臨む海洋博物館とクイーンズハウスの姿です。遠く向こうに聳え建つのは、テムズ河畔の再開発地区「ドッグランズ」の高層ビル郡。自然豊かなグリニッジパークとの対比が不思議な感じです。
この記事にトラックバックする