カスティーリャ女王イサベル1世(1451ー1504)
母方の祖母。スペイン統一の母。
夫フェルナンドとともに「カトリック両王」と呼ばれる。
王国の戦乱の中で子供達を育て上げた偉大な女性。
大航海時代のスペインの礎を作った女性。
イベリア半島の中央部から北西部にかけて広がるカスティーリャ、
レオン両王国が領土。アラゴン王フェルナンドと結婚することで、
半島にはスペインという新しい国家が誕生しました。
王国は長く戦乱の中にあって、宮廷は戦線とともに移動したため、
家族も常に行動を共にしていました。ゆえに、女王は政務の傍ら
家族の問題にも取り組み、子供達の教育にも自らあたりました。
後に王家に嫁いで来た、ハプスブルク家のマルグリットも女王の
教育に強い影響を受けたと言われています。
彼女の悩みは次女のフアナでした。
王位継承問題のために里帰りした娘に再会した母は、彼女の異変
に気づきました。次男フェルナンドを身籠ったために実家にとり
残されたフアナ。フランドルへの帰国を許されず、また、自分の
居ない間の夫の浮気に不安を募らせた彼女は、城で奇妙な行動を
取り始めます。イサベル女王に自分を帰国させるよう問い詰め、
聞き入れられるまで何日も食事を拒否したり、部屋に籠ったまま
になったり。さらには、寒い冬の一晩中、城門の前に座り込みを
続けたりしたこともあったそうです。
さすがの女王も娘の強行な態度にすっかり根負けし、冬の寒さが
和らいだ頃にすぐ帰国の船を用意することを決めたのでした。
この一件で、女王は娘に自分の母と同じものを感じたのでした。
実は女王の母は精神異常を来し、城の一室に長く幽閉されていた
ことがあったのです。
相次ぐ息子や娘、孫達の死、フアナの病気など、言いようのない
不安に駆られ、心臓を患った女王は1504年に世を去りました。
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