忍者ブログ

皇帝カルロス!

16世紀ヨーロッパに君臨した神聖ローマ帝国皇帝カルロス5世ファンのブログ。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

母、フアナ


カスティーリャ女王フアナ1世(1479ー1555)

カルロスの母。
夫への狂信的な愛情から、精神錯乱に陥ったとされる女性。
またの名を「狂女(王)フアナ」。(スペイン語 juana la loca)
父、夫、そして息子カルロスの三代にわたり男達に翻弄された人生。
生涯の半分以上を軟禁生活で過ごした彼女は何を思っていたでしょう。

偉大なるカトリック両王、イサベルとフェルナンド。
イスラム教徒からの国土回復運動「レコンキスタ」を終結させ、
イベリア半島に強大な国「スペイン」を築いた二人。
その次女としてフアナは生まれました。
当時北の隣国フランスと緊張状態にあったフェルナンド王は、
同じ利害関係にあるローマ王マクシミリアンと政略結婚を決め
お互いの王子、王女同士を二重結婚させることとしました。

1496年、17歳でブルゴーニュ公フィリップと結婚。
フランドルに渡った彼女は、美男の誉れ高い夫に心奪われ、
世界の富が集まるフランドル宮廷で夢の新婚生活を送ります。
ところが、夫には浮気癖があることが発覚してしまいます。
彼女は自分だけに夫の心を向けさせようと躍起になりますが、
彼の八方美人ぶりは相変わらずのまま。
夫に対する強い気持ちが次第にエスカレートしていくのです。
部屋を立ち去った彼を追いかけ裸足のまま飛び出してきたり、
ヒステリックになって頭を壁に打ち付けたり、と「奇行」が
次第に目立つようになります。
ある日、フアナが宮廷で女官達と裁縫をしている時、女官の
一人に夫が差し出した手紙があることが発覚。激昂した彼女
は側にあったハサミを手にとり、その女官の頬に突き立てた。
という恐ろしい話も伝えられているのです。

そんな折、実家では世継ぎが次々に夭折してしまい、彼女に
スペイン王国の王位継承問題が降りかかることになるのです。
浮気問題に加えて、政治問題にも悩まされるフアナ。
そして母イサベルが亡くなると、王位継承が現実のものに。
ところが、その摂政職を巡って父フェルナンドと夫が対立。
板挟みとなった彼女の心はさらに蝕まれていくのです。
そして彼女の心に決定的なダメージを与える事件が起きます。

1506年、夫フィリップが突然亡くなります。
悲しみに暮れた彼女は、夫の遺体から離れませんでした。
棺と伴にスペインの荒野をさまよったと言われています。
また、夜な夜な棺を開けさせ、亡骸に声をかけていたとも。

そんな彼女に女王としての統治能力無しと判断をした、
父フェルナンド王はトルデシーリャスの館に娘を幽閉。
自らは再婚した若き妻に世継ぎの希望を託しますが、
その夢も空しく1516年に亡くなりました。
それにより息子カルロスがスペイン国王となりました。
ですが、彼女の軟禁生活は変わりませんでした。
カルロスは母フアナを女王とし、自分はその共同統治者と
しましたが、トルデシーリャスの暮らしはその後も続き、
1555年に76歳でこの世を去りました。

「狂女」と呼ばれた彼女ですが、今で言う「そううつ」の
状態にあったと思われ、常人と変わらずに振る舞うことも
あったようです。また、周囲に精神異常者と決めつけられ、
政治的に利用されただけで、彼女は病気でなかったとする
話もあります。

いずれにせよ、波乱に満ちた人生を送った母フアナ。
父同様、母ともカルロスは幼くして離れて暮らしたため、
彼女からの影響は少なかったと考えられますが、その後、
スペインで再会したのちは度々母のもとを訪ねており、
彼女を敬い気遣っていたと思われます。
(軟禁生活は結局解きはしなかったけれど。。。)

PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする

Copyright © 皇帝カルロス! : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]

管理人限定

プロフィール

HN:
ベルデ
性別:
非公開

最新コメント

[04/20 あいや]

最新トラックバック

ブログ内検索

バーコード

アクセス解析